ハヤシの視点「新しいチャレンジ」2

前回は新工場移転に伴い 新しい設備でハヤシ商店がどう変わっていくのか?
大きく変化していく時代の流れに応じてハヤシ商店の新しいモノづくりへのチャレンジの想いについてお話しさせていただきました。
数多くのご声援、ご意見やお問い合わせをいただきありがとうございました。さて、今回は 自動車業界以外への具体的チャレンジの中身についてお話をしたいと思います。
電気自動車への移行に伴い 自動車業界は大きく変化せざるをえなくなっています。
私どもがお納めしている現状の商品の今後の需要に関して 非常に不透明になっております。
そこで 全く新しい業界・分野へのチャレンジが余儀なくされてきました。そんななか、あるご縁をいただいた業界の方から ご相談を受けることになりました。

その業界とは 今まで弊社とは全く縁もなかった「ランドセル業界」からのご相談でした。
実は ここ愛知県はランドセル製造の全国シェアが高い地域で、数多くの製造会社さんが周囲にあって、その中の1社よりランドセルの背当て部分に関するご相談がありました。
従来の方法だと非常に生産効率が悪いので何とかならないかという内容です。

具体的に言うと、ランドセル製造者は従来、板と布の間にいくつかのクッションパーツを挟んでそれらを糊付け固定し、パーツとパーツの谷間をミシンでステッチを入れて立体感を形成しています。
コンピューターミシンでこの谷間を縫おうとすると、パーツとパーツの間が浮き上がっていることにより、ステッチがジグザグになり上手くできません。
そのため、この工程は手縫いで行わなければならず、それがネックとなって生産数を上げることができませんでした。
そこで、コンピューターミシンで運針でき、浮き上がりを抑える仮固定技術が求められていました。

この課題解決にお応えしたのが、当社の高周波ウェルダー技術です。当初は全くウェルダーが効かなかった素材に対して、悪銭苦闘すること1年。数多くの技術的端緒を丁寧に見出して( すべて企業秘密)、この技術の確立に至りました。開発の費用は200万円以上で 小規模なハヤシ商店にとっては未知への挑戦でもありました。また、ランドセル製造業界以外にも 同様の技術を使えないか、と各方面での期待も高まっています。

「こだわりに寄り添うモノづくり」
製造現場でのさまざまな困りごとを、もっと効率よく、もっと確実に、もっと早く、もっと安く・・・・。
そんな課題解決にトコトン寄り添って モノづくりの現場に改善提案をし続けます。