ハヤシの視点「フタル酸フリーのかんばんケース」
今回はその世界的な趨勢に対するハヤシの取り組み第一段として、フタル酸不使用材料(以下フタル酸フリー)のかんばんケースをご紹介します。
EU連合の中だけで通じるルールを重んじるあまり、そちらの基準に合わせてかんばんケースを製造・販売することは、
私どもだけではなく多くのお客様にとって大変な不利益です。なぜなら価格が高額化するからです。
現在ハヤシのかんばんケースは国内のみならず、北米大陸や南米大陸、アジア各国で使用されています。
もしヨーロッパの厳しい基準でかんばんケースを作って販売するとなると、それら世界中のお客様に対し、
1枚あたり数円程度の価格上昇をお願いしなければいけないことになります。
なぜなら、残念ながら現状のハヤシの仕入れの交渉力や生産合理化の技術では、その数円を現状価格の中に納めこむことができません。
従って、フタル酸フリーのかんばんケースはどうしても高い。
しかしそれでも、ヨーロッパで私どものかんばんケースを待ち望んでいただいているお客様のために、ハヤシは、価格はさておき供給だけでもこの状況を何とかしたい。
そこでハヤシの視点です。
チャック部分はもともとフタル酸フリーのものとして改質が済んでいるため、本体部分がフタル酸フリーになれば、全部がフタル酸フリーのかんばんケースを製造することができる。
デッドストック(不良在庫化)に陥る危険性があっても、現在ご要望をいただけるお客様のために、
できないとは言わない生産姿勢を貫きたいとの思いで、フタル酸フリーの材料を確保する。
それは1ロット生産に対する大掛かりな資金を必要とする。しかしそれによって、別注品として標準品とは別の価格帯で販売することができ、
これによってフタル酸フリーの製品をご要望くださるお客様のご用に、必要に応じて必要な数量をできる限りお安くお届けできる。
今回はハヤシの視点というよりハヤシのこだわりですね。
ただし、このフタル酸フリーの製品ですが、一定の評価をいただき、現在は少しずつ売り上げを伸長させているというのが現状です。
一方、この状況を受けてハヤシは考え続けております。
何とか高額化する材料費に対し、その上昇を抑える材料生産ロットの拡大と生産の更なる合理化を。
なぜなら、それが成功すればハヤシが出荷する全てのかんばんケースがフタル酸フリーのものとなって、
世界中の地域を選ばず、制約のない安心なかんばんケースをお届けすることができるからです。
ハヤシの挑戦はこの後も続きます。ご期待ください。