ハヤシの視点「シリーズ/かんばん差しの改善②」
今回は「シリーズ/かんばん差しの改善」の第2回目です。QRを読むことのできるかんばん差しの改善のお話をさせていただきます。
かんばんは製品情報の結晶した形なのですが、現在はそれにQRコードを施し、情報処理機能の一端を担わせているものが大変増えてきました。
このQRコードは大変素晴らしい発明品で、カメラでそれをスキャニングするだけで、情報がスキャナーに対し提供され、展開してゆきます。
この技術の素晴らしい点は、記録できる情報の複雑性や立体性と、何といっても高速性です。
1秒1秒を対価計算し効率化しようとする現代の自動車産業や自動車部品産業の中では、この高速性の能力を最大限に活かすため、かんばんをかんばん差しから抜き取ることなく、
かんばん差しに差したまま情報処理をしようとするスタイルが発展してます。そこで必要とされるのは、QRに対する読み取り適性です。
先日もあるお客様から、今のかんばん差しでは非接触でQRを読むことができないので、かんばんを差したまま処理したいというご要望がございました。
最近はこのお問合せやご相談が大変多く、全く珍しくないご相談内容です。この解決はとても簡単です。
QRがポジショニングする位置にQRを露出するための窓を開ければ良く、そこにトムソンで窓穴をあけたり切り抜いたりしたポケットにすればよいだけです。トムソンンで苦も無く行えます。
実は10年近く前、加工を始めて間もない頃、自動倉庫の投入口のコンベア上で、QRが読めないという内容に関して非常に苦しんだ経緯がありました。
私どもが納めているかんばん差しが読み取りエラーを起こすので何とかしてほしいというご要望(と言うかかなり怒っておられたのでクレーム)でした。
新設の自動倉庫なので相当数量のかんばん差しを納めており、使用条件もうかがっていたので、全てが返品となりました。
もちろん大損ですが、その時にお客様の現場で時間をかけて検証させていただき、この問題の底にはびこる根を見つけと解決となる実を確実に収穫したので、良い授業料となりました。
失敗は「死」ではなく「師」ですね
さて、QRの読み取りを阻害する要因の一つは、印刷されたQRと読み取り機との間に介在するノイズです。
これをカメラがQRデータと一緒に吸収すると誤作動を起こし読み取りができなくなることがあります。
かんばんの場合のノイズは、かんばんケースやかんばん差しに使われているフィルムの汚れや光の反射によるフィルム表面の白化などがノイズに当たります。
これを解決する最も効果的な対策は、QRとカメラの間に阻害要因となる物質を取り払うこと、つまりQRの露出です。ハヤシの視点です。